冷却に関するニュートンの法則

冷却に関するニュートン(牛頓)の法則
「熱された物体とその周囲との間の温度差θは、温度差に比例する速度で減少する」

冷却に関するニュートンの法則
    dθ/dt=−kθ
  いま t=0においてθ=θ0と仮定すれば
  この微分方程式の解は次のようになる。
    θ(t)=θ0−kt

殺人事件の被害者の死体が、ある夜11時に発見された。
警察医が呼ばれて午後11時30分に到着し、直ちに体温を計ったところ
華氏94.6度であった。1時間後にもう一度計ってみたら華氏93.4度で、
室温は華氏70度で一定であった。
冷却の法則を使って死亡時刻を推定してみよう。

 午後11時30分の死体の温度をF1とすると F1=94.6度となる。
同様に1時間後の
午後12時30分(午前0時30分)の死体の温度をF2とすると F2=93.4度となる。
 また 室温はF0として F0=70度としよう。
このようにおくと、上の微分方程式の解は次のようになる。
  F2−F0=(F1−F0)e−kt
  つまり (93.4−70)=(94.6−70)e−3600k
 したがって 23.4=24.6e−3600k

 これよりkを求めると次のようになる。
   k=log〔24.6/23.4〕/3600≒1.389*10−5
 そこで
  死体のt=0における体温をF1=98度(36.7℃に相当)とすると
    F2−F0=(F1−F0)e−kt
 と書くことができる。
 この式に F1=98度  F2=94.6度  F0=70度  k=1.389*10−5を代入して、
 得られたその式から tを求めると、次のようになる。
   t=9320秒=2.59時間
   つまり 11時半より約2時間半前となるので
   殺害時刻は ほほ9時頃と推定される。

       摂氏と華氏