建設環境工学概論の感想文 平成11年度

   内容が盛りだくさんで学生がどれだけ理解したか
   ここでは一部を紹介しましょう

1999.4.21 建設環境工学概論の第1回目は、全体の話をしました。
どのくらい理解したか、学生の感想文から判断してみてください。

この学科の歴史がわかった。この学科の名前についている建設の中身は、 建築ではなくて土木であることがわかった。 土木と建築の違いを、今日の講義で初めて知りました。 また、自然の動物保護のために、人間の力が必要であるというのには驚きました。 自然のままだけではよくないこともあるのだということを知りました。 里山は人間が手を加えているから、生き物にもよい環境になっていることもある。 チョウセンアカシジミも若いトネリコの木がないと生きていけないし、 松林の下草を刈って手入れしないと松茸が繁殖しないと言われる。 日本の農村で多量の農薬を使ったから、ドジョウなど食べる物がなくなりトキが絶滅した。 中国の山奥の農村に生きているトキを保存するため日本が資金援助している。 土木工事が環境を破壊してきたことに最近気がついて、環境について配慮するように なったことがわかった。我々はこれから環境に配慮した建設工事を考えていかなければ ならないと思った。自然にいる蝶などの昆虫が環境のバロメーターになっている ことがわかった。 ごみを分別して捨てるべきだと思った。リサイクルできるものはリサイクルしよう。 環境ホルモンがいま騒がれているが、現在の住宅建築においても壁などを固定する 接着剤にも人間に害になるものが含まれていて、あらゆる所で環境ホルモンの存在が 気になる。 世界で最初に恐竜の化石を発見したのが、なんと女の人だったことに驚いた。 聞いていて飽きない面白い講義だった。 マンテル医師の夫人メアリーが夫の診察(仕事)中に 偶然発見したわけだが、夫人も夫から教えられていて知識があったから。 ある地域にどのくらい自然が残っているかということを考えるとき、弱い生物の 棲息状態が環境を判定する1つのバロメーターになるということがわかった。 この1週間聞いた中で一番バラエティーに富んだ講義だった。 そういっていただけると嬉しい。この講義をするのに、だいぶ調べたりした。 建築と土木の違いがわかったし、この学科では主に土木をやることもわかった。 建築は人間の生活空間に関係が深いらしく、心理学も関係しているらしい。 そういう話を聞くと、建築をやってみたいなという気もする。 新幹線のトンネルを掘るのに地質を調べてからするというのは初めて知った。 心理学に興味をもつのはいいことです。卒業して組織の中で部下の管理をすることもあるから、 心理学を教養で選択することをお勧めします。 トンネルやダムやビルの工事の前に、事前調査でボーリングするのは常識ですよ。 私の故郷では、ゴミの分別を細かくやっていて有料化しています。 ここ盛岡では、私の町よりゴミの分別がゆるく、有料化していない。 有料化すべきとはいわないが、もう少し厳しく分別したほうがよい。 世界最初の恐竜の発見者が学者ではなく普通の人だったということが驚きだった。 マンテル医師とその夫人が化石の発見者であったが、いまでは 彼らも化石学者のメンバーと考えられている。 当時は、ダーウインの進化論も世に出ていなくて、化石が神様の失敗作だとか ノアの箱船の残骸と考えられていたこともあった。 つまり、地質学とか化石の研究がはじまったのは、そう昔ではない。 環境問題の多くは基本的に人間1人1人の小さな環境汚染によるものだと思う。 学者や企業などがいくら騒いだところで、結局は人間個々の心がけが最も重要では ないかと考える。ゴミの分別を行い、無断不法投棄などをしないという、人間として あたり前の行動をとるべきと思う。 土木と建築の違いは、そこに人が住むか住まないかであることがわかった。 化石の発掘と土木とがこんなに深く関わっているとは知らなかった。 測量技師が工事調査や体験をして、地質学の基礎を作った。 いっぽう地質学の知識にもとづいて、土木のトンネル工事や基礎工事に役立っている。 学問の歴史を調べると同様のことは多くみられます。 環境問題をどうのこうのと言っているけれど、大学の敷地内のゴミのポイ捨てを 見るとさみしい思いがする。身近のことで自分の行動に責任をもてない人々は 環境問題を語る資格がないと思う。岩手大学の道ばたのゴミがそこに学んでいる学生の 文化の低さを表すともいえる。自分は自分の行動に責任をもち行動して、 チャンスがあればゴミを拾いたいと考えている。 我々があつかう土木工事には、山を削ったり、川をせき止めたりするが、 ただ長い間耐えられる橋、ダム、道路を作るのだけではなく、これらの工事が 生物の生態系を壊さないように、生物学の知識も反映した建設が必要であることがわかった。