剛体に働く力

剛体(力が働いても変形しない)に働く力は その作用線上のどの点に働くと考えてもよい。 剛体の一点Pに力Fが作用しているときを考える。 作用線上の任意の点Qにおいて、F、−Fなる二つの力をつけ加えてみる。 これは釣り合った二力を付加したのだから、Qには何も力が働かないのと同じである。 ところがPにおけるFとQにおける−Fとは釣り合うから、 これらを取り除けば、結局QにおけるFだけ残ってしまう。 つまり、Pにおける力Fを同一作用線上の任意の点Qにおける力Fに移してよい ということがわかる。 【結論】力はその作用線上のどこに移動してもよい。 このことから、上のような図において 作用線の交わる二力F1とF2の合力Fは容易に求められる。 また逆に力Fを二つの作用線の方向g1とg2に分解して 分力F1とF2を求めることも理解できる。 この場合、合力を求めるときも、分力を求めるときも F1は作用線上g1のどこにあってもよいし、 F2も作用線上g2のどこにあってもよいことが理解できるであろう。