建設環境工学通論の第1回目の試験 2002年版

10時半から1時間程度 配布した資料を参考にして下記の設問に答えなさい。 (1)土木工学から連想されるキーワードを10個選んで書きなさい。 (2)土木工学のユニーク性を、資料にはない他の例を自分で考えて、    あなたの言葉で説明しなさい。 (3)土木と建築と建設の違いを述べなさい。 (4)自分の履歴書を英語かドイツ語かフランス語か中国語など外国語で    書きなさい。    その際 適当に創作してよい(生年月日や学歴など自由に変えてよい)。

   比較的よい答案(とそうでないもの)

キーワードについては、道路、橋梁、河川、港湾、トンネルなど常識的な
解答があった反面、軍事技術と密接な関係、市民生活の基盤を形成する技術
などというキーワードらしからぬ解答も見られた。

土木工学のユニーク性について、比較的良かった解答を紹介する。

オーストラリアの失業対策としての公共事業「グレートオーシャンズロード」
を例にあげたのは、ユニークな解答であり、知識の広さを示すものである。

土木工学は最新の技術も使うが、もともと古代からあるものである。
他の工学に比べて、作られたものが非常に長期にわたって残る。
あるものは機能性をもったままのものもあれば、芸術に変化するものもある。

人間が生活を始めるとき、まずその土地を改造することから手がけないといけない。
土木工学は人類の文化形成の第一歩であり、その土地土地により形態が違う
のが面白いと思う(それが文化というものなのです)。

土木工学は他の学問に比べて、時間的空間的に広大なスケールへと人間が
関わり合っていく学問である。長期間使用される個々の建造物だけでなく、
社会全体の交通、通信の広い範囲に対して大きな影響力をもつ。

何か人々が利用したり、役に立つ、しかも目に見える大きなものを作るということ。
そして、現場で男たちの力仕事であるということが、実は机上の綿密な計算の上に
成り立っていることがユニークである。

たとえば情報工学はこの世界の一部の人にしか必要とされない学問だと思う。
自然の中に生きている民族にとっては情報工学は必要のないことである。
だが、土木工学は違う。たとえどこに住んでいても必要とされることであると思う。
家に住み、道路を歩き、橋を渡る、という日々の生活においてありふれた光景はすべて
土木に関係している。土木工学の特徴として生きている限り関係してくる学問である

建設とは、土木と建築をあわせたものであり、土木と建築の本質的違いはなく、
建築は人間住む居住空間をあつかうことが唯一の違いである。
何人かの解答があっていたが、大半は資料の文章にとらわれて、はずれた解答だった。