日本シルクロード倶楽部
2001新疆の旅

8月29日 本日の予定は、午前中オアシス基金支給校訪問、午後はバザール、そして夕方は カシュガル師範学院訪問となっている。 先導者はイリヤル君(東京医科大学でドクター取得)、そもそもオアシス基金は在日 留学生が言い出して出来た基金である。恵まれた自分達の義務と言った彼らの心に感動 し、日本人が協力している。事務局を預かるものとして、現地を見ることは必要で あろう。年間30万から40万円の規模で実行している小さな基金だ。 訪問先はカシュガルより45キロ、タシミリキ県タシミリキ小学校、中巴道路(中国・ パキスタンをつなぐ)に出て途中左に折れ嵩脊山脈に向かって走る。タシミリキは石が ごろごろしている意味か、パミール高原にも比較的近く緑も有り、農村の牧歌的風景が 続き、市場でも開かれるのかロバ車がひっきりなしに往く。2年前に訪問したイリヤル 君に聞くと道路は見違えるように良くなっているという。いよいよコングル山が みえた。崑崙山脈第ニの高峰(7719m)に気分が昂揚する。 小学校到着、校舎の前は花木が一杯植えてあり心が和む。村長さんはじめ教育委員の 方々、校長先生が出迎へてくれた。子供達もセレモ二一を待って集まっている。御互い の挨拶が済み、そして倶楽部に感謝状を頂いた。外に出ると子供達50名が待っている。 日本の子供より小さい印象を受ける。今回はリュックと学用品、学用品を買うために ひとり50元支給した。子供達には栄養不良もあるようだ。鼻汁を垂らしている子供も いが、顔は明るい何故であろうか。握手をすると生き生きとした喜びの顔が帰ってくる。 50数年前、戦後昭和22年小学1年に上がった時の自分の姿を思い出した。入学式の とき、母親の着物のすそを握って緊張していた、おぼろなる自分の姿をだ。県の教育 委員の人がこのお金で学用品を買うんだよ、他の事に使ってはいけないよ、と叫んで いるのを聞いて吾に返った。 おぼろなる、我が魂の、ふるさとは、青き風吹く、崑崙のした。 先生はほとんど女性、なかに妊娠している先生がいたので、家内がムバラキボルソン (万歳の意)と言ったらはにかみとともに、嬉しそうな顔が印象に残った。帰るとき 若いカイサル校長が、バスのドアが閉まりかけてもラフマット(ありがとう)と云って 手を離さなかった。 この小学校とは、今後とも関係を持っていきたいと考えている。学校関係者がカシュガル に行かれた時には、ぜひ訪問して頂きたい学校である。 バザール見学後、カシュガル博物館へ、小野議員が売店で方形の観音像の彫ってある ものを見つけた。ラクダの骨だと言う。見ると般若心経が彫りこんであり、よくまあ こんな硬いものにと関心してみながら、偶像を作る仏教は想念の凄さというか、結果、 生み出すところの文物のすごさに関心をした。この博物館ではアルズグリさんが調査を している。立正大学の仏教文献調査である。つい先日もラクダに乗った御釈迦様が発見 されたそうだ。 夕方、カシュガル師範学院訪問、この地域最大の学校である。学生数7OOO名、 全新彊から学生が集るという。夕食は学院長アブドラマンさんの招待を受ける。同席の 先生方はトルスンさん旧知の人、イラムさんともに日本で学んだ人である。 小野議員のイラ短日記が楽しみである。旅は人によって感慨が違う、夜1時カシュガル を後にした。飛行機の中では起きている人は一人もいなかった。小生は職人街で買った ラワッブ(弦楽器)を抱いて眠った。


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