中国語の本質をついた鋭い指摘

中国語の漢字は読み方はもちろん、その声の上がり下がりで意味をなしている。
つまり日本語で「なし」と言っても「梨」と「無し」があるのと同じである。
発音は同じでも、そのイントネーションの違いで漢字が全く違ってくる。
そしてそんな字が何十も何百もあるのである。

 さて、歌になると本来その字が持っているイントネーションは全く無視されてしまう。
メロディーに合わせるからだ。
ということは、中国人はラジオで初めて聴く歌の歌詞などは、あまり理解できないのである。
何となく前後のつながりからわかるらしいのだが、それでも非常にむずかしいという。
中国語の弱点はここにあるのかもしれない。
そのことが逆に、私が「心太軟」を歌っても、それほど不自然には聴こえないということにもなるのである。

(徒然日記、大連からの風 第6回)
引用は作者の了解を得ています。 なお徒然日記はこちらです。